中田英寿選手も、良くキック練習をしている数少ない日本人選手として挙げることができます。
なぜそんなことがわかるのか?あなたはヒデに会って聞いたんですか?
そう思われる方も多いと思いますが、キックの練習を徹底的にやりキックをある程度マスターすると、キック練習をしている人としていない人の違いが、プレーや言動からはっきりとわかりるようになります。
では、前おきはそのくらいにして、中田選手のキックについて解説してみましょう。
中田選手は、すべてのキックを一通り蹴れるバランス型ということができると思います。
インフロントでのロングフィード、ミドルレンジからのインステップキック、インサイドキック、アウトサイドキックを場面に応じてバランスよく使いこなしています。
ただ、中盤のゲームメーカー(ラモス、ストイコビッチ、バッジオなど)がよく使っていた、インフロントとチップキックの中間のキックは使いません。
中田選手は、いわゆる足首が柔らかい選手のプレースタイルとは少し異なりますし、これは単なる推測ですが、スルーパスはできるだけグラウンダーでという考えがあったからかもしれません。
中田選手がまだ日本にいるときに、パスが強すぎて取れないということが一時期言われていましたが、そのキックも非常に特徴的なものでした。
中田選手は、フリーキックで蹴るトップスピンがかかったボールを、スルーパスとして出していたのです。
ドライブ回転がかかったボールは、バウンドと同時にさらに加速し、トラップすること、ボールに追いつくことが非常に難しいです。しかし、その分DFにカットされることも少なくなります。
このパスは、受け手がベストのタイミングでトップスピードで走り、なおかつトラップする技術がしっかりないと受け取ることができませんでした。
逆にいうと受け手が100%のトップパフォーマンスを発揮した場合、最高のパスになります。
この中田選手のパスは、のちにキラーパスと恐れられ、小野伸二選手の優しいエンジェルパスと好対照となっていましたね。
他に中田選手の特徴的なキックのひとつに、アウトサイドキックが挙げられると思います。中田選手はしっかりとミートした強いアウトサイドキックが蹴ることができます。
特にダイレクトで90度の方向に蹴るアウトサイドキックはよく使っていました。
正面から自分に向かって来たボールを右足のアウトサイドで90度右に出すプレーです。
かなり高い精度でしっかりと押さえの利いたダイレクトのアウトサイドキックを蹴っていましたが、これは非常に難しい技術ですので、中田選手はそれを得意とし、自然に使っている印象でした。
なんとなく真似したくなるプレーではありますが、非常に難易度が高く、中途半端な技術でやるとミスパスになる可能性が高いので、無理に真似する必要はありません。
中田選手のキックの中で、最も注目すべきものは、ミドルシュートのインステップキックです。
中田選手は、これまで数多くのミドルシュートを決めてきましたが、これは確実に練習によって習得された技術です。
特に、引退試合となった2006年ドイツワールドカップでは、新しいボールが採用されミドルシュートが非常に有効になることはマスコミでも言われていました。
その状況下で実際にミドルシュートを練習し、実際に試合で精度の高いシュートを打ったのは、日本人代表では中田選手ただ一人です。
逆にいうと、試合直前に集中的に練習するだけで、ある程度精度を上げられるのがキックなのです。
もちろん、長い期間をかけてそのキックを習得しているということが前提になりますが、短期間で精度を格段に上げることが可能なのです。
中田選手はワールドカップの少し前から、日本代表選手の意識の低さに歯がゆさを感じていたようですが、それは当然のことではないでしょうか。
日本代表でありながら、インフロントキックでミスを連発するような選手は己の意識の低さを恥じ、代表を辞退すべきです。
日本代表選手でなくとも、プロサッカー選手であるならば、キックは高い精度で蹴れるのが当然ですし、もし蹴れていないなら必死で練習すべきです。
素人の私よりインフロントキックが蹴れていないJリーガーはたくさんいますが、今すぐプロサッカー選手を辞めて欲しいですね。
中田選手のキックで話が少し飛躍してしまいましたが、おそらく中田選手が伝えたかったのはそういうことだと思います。
私も高校のサッカー部の時代には、インターハイ、選手権の大会の前には、少しずつキックを調整していき、実際の大会ではピークの精度でキックを蹴ることができました。
試合中の決定的な局面で顕著にそれが発揮され、それによって難しいシュートを決めることができましたし、パスの精度も非常に高かったことを覚えています。
言ってしまえば、キックは練習によって簡単に成果が出せることものなのです。

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